鎮静剤を使用し、ほとんど眠っている状態で検査が受けられます。ほとんどの方が検査後、軽く声がしたのを覚えている程度か、または検査した事を覚えていないとおっしゃいますので、初めての方や、苦しい思いをされた方も苦しさが軽減された検査をお受けください。
当院では、病変がきれいに見える、口からの内視鏡検査を行っております。ほとんどの方が鎮静剤を希望されますので、検査中はほとんど眠っている状態で安楽に検査が行えますが、ご希望があれば、モニター画面を見えて検査を進めていきます。
検査後は、モニター画面をお見せして詳しく説明いたします。
検査ごとに内視鏡は自動洗浄機で、丁寧にオゾン消毒を行っております。
上部消化管内視鏡検査は、口から内視鏡(細くてやわらかい管のようなもの)を飲んで、病変を直接モニターに映し食道、胃、十二指腸の病変の診断をします。病変の一部を採取し病理検査する事によって、手術が必要な病変か、そのままお薬で経過を見えて良い病変かも鑑別する事もできます。
検査前日はなるべく消化の良い食事にしてもらい、夜9時以降は検査が終わるまで、食事は摂らずお水、お茶のみにしてください。当日の朝は少量のお水は構いません。検査自体はほとんどの方は2~3分で終わります。検査後、鎮静剤を使用した方は帰宅可能になるまで1~2時間程度ベッドで休んでいてもらいます。その後検査結果を説明いたしますので、時間に余裕をもって午前中いっぱいかかると思っていてください。
検査費用は、3割負担で3,500円程度です。
その他、診察料やお薬が必要な方は薬剤料が別途かかります。
市区町村が行う住民検診や職域検診などの胃がんに対する検診として、従来のエックス線検査に加え内視鏡検査も選択可能となり、内視鏡検査が一層増えてきています。その理由の一つとして、内視鏡検査は、早期にがんなどの疾患を診断できるというメリットがあるからです。
当院では、富士フイルム株式会社製(上部消化管内視鏡2本および、下部消化管内視鏡1本)内視鏡を新たに導入いたしました。内視鏡システムの光源にレーザーを用いた内視鏡システムにより、新たな特殊光色彩強調機能LCI(Linked Color Imaging)技術を使い、正常部とそうでない粘膜の色とのわずかな色の違いを強調する事ができます。
上部内視鏡検査においては、ヘリコバクター・ピロリ菌などが原因となって胃の粘膜が炎症を起こした場合、胃粘膜が薄く痩せてしまう「萎縮」が進み、胃がんを引き起こしやすい状態になるため、早い段階で見つける事が非常に重要であります。しかし、今までは正常な粘膜と炎症部はわずかな色の違いしかない事から、炎症部の発見や炎症の度合いの判断などが難しい場合がありました。この内視鏡システムにより、粘膜の炎症を早期に見つける事でピロリに感染した人は、除菌療法※1を速やかに行う事ができ、胃がん発症予防に役立ちます。
また、新しい内視鏡では、がんなどの前段階である炎症の変化や、早期がんに特徴的な粘膜の変化がわかりやすく診断にも役立ちます。最近では、検査画像の高画質化に伴い、消化管内部を直接かつ、より鮮明に見える事ができるようになりました。食道・胃・大腸などの消化器疾患の分野で、早い時期に病気を発見する事により、早期がんなどを内視鏡で観察しながら切除するEMR(内視鏡的粘膜剥離術)や、粘膜下層を切開・剥離するESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といった治療が年々増加しています。
大きな手術(開腹手術)にならず、患者さまに、身体的負担の少ない治療(内視鏡手術)で病気を治療するためには、やはり、早期発見がなによりも重要です。
肛門から内視鏡(細くてやわらかい管のようなもの)を挿入し、病変を直接モニターに映し大腸の病変の診断をします。鎮静剤を使用し、ほとんど眠っている状態で検査が受けられます。検査で苦しい思いをした人でも落ち着いてご来院いただけます。病変の一部を採取し病理検査する事によって、手術が必要な病変か、そのままお薬で経過を見えて良い病変かも鑑別する事もできます。
検査前日から食事や薬の服用がありますので、詳しくは予約時にご説明いたします。便がきれいになったら検査可能です。検査後は帰宅可能になるまで1~2時間程度ベッドで休んでもらう事もできますが、ご希望があれば、検査後、鎮静剤から目覚めるお薬を注射いたしますので、すぐに起きる事ができます。
その後検査結果を説明いたしますので、午後を少しすぎると思っていてください。
下部消化管内視鏡(大腸ファイバー)検査においては、上記、特殊光色彩強調機能LCI(Linked Color Imaging)技術に加え、硬度調整機能を搭載し、スコープ軟性部の硬さを4段階で調整する事が可能です。大腸の複雑な屈曲や形状に合わせて、スコープの硬さを調整しながら進退できるため、スコープ先端部を深部まで挿入しやすくなり、これまで以上に検査時間の短縮と患者さまの身体的苦痛の低減が期待できます。
残念ですが、現時点ではポリープ切除(ポリペクトミー)はしておりません。私の考えとしては、ポリペクトミー後は出血などのリスクを考えると1日でも、入院していただく方が良いと考えるからです。当院は入院施設がありませんので、大腸ファイバーをやった結果、ポリペクトミーが必要と判断いたしましたら、入院施設のある病院を紹介させていただいております。当院のデータでは、健診で引っかかった方の多くはポリペクトミーを必要としませんので、まずはお気兼ねなく検査をお受けください。
検査費用は、3割負担で5,000円程度です。
その他、診察料やお薬が必要な方は薬剤料が別途かかります。
検査は体への影響がほとんどないうえ、速やかに多くの情報が得られます。また、カラードップラー、パワードップラーを併用する事でより丁寧で迅速な診断が可能です。検査後は、モニター画面で詳しくご説明しております。
高い周波数の音波(超音波)を腹部に当てて、臓器からの反射をとらえて断層画像として表示し、病変の有無を詳しく見える検査です。検査用のゼリーを腹部にぬり、プローブを当てるだけで、害がほとんどないと言われています。肝臓、胆のう、膵臓(すいぞう)、脾臓(ひぞう)、腎臓などの病変が迅速にわかります。
検査前日は夜9時以降は検査が終わるまで、食事は取らずお水、お茶のみにしてください。当日の朝は少量のお水は構いません。検査自体は5~10分程度で終わります。検査終了後、至急に説明が必要な時は当日説明いたしますが、検査結果は大きな問題がなければ後日詳しくご説明いたします。
検査費用は、3割負担で1,600円程度です。その他、診察料やお薬が必要な方は薬剤料が別途かかります。
日本人の死因3割は「脳梗塞」や「心筋梗塞」など、動脈硬化が原因の疾患です。
動脈硬化とは、血管の弾力性が失われ、硬くなったり血管壁にコレステロールなどがたまったり、内径が狭くなって血液の流れが悪くなった状態を動脈硬化といいます。その動脈硬化度を「数字で表す」事ができるのが血管年齢検査です。
動脈硬化の程度は、CAVIとABIの検査結果でわかります。
動脈の硬さの程度を表しています。年齢が高くなるにしたがってR/L・CAVIの値は高くなります。
CAVIが8以下だと正常範囲、8~9は境界域、9以上だと動脈硬化の疑いあり。
正常範囲は8未満です。
足の動脈の詰まりを表しています。ABIの値が低くなるに従って、狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)の可能性が高くなります。
ABIが1.3以上だと足首の血圧が高め、0.9以下だと狭窄(きょうさく)または閉塞(へいそく)の疑いありです。
標準値は0.9~1.3です。
今回のCAVI計測値(縦軸)と被験者の実年齢(横軸)の交差する所に丸印●をマークします。相当年齢は、計測力実年齢と標準偏差を考慮して求め、下矢印線で相当年齢を示します。
左右のCAVIを計測した場合には右足を黒丸●、左足を緑丸●で表示しています。
動脈硬化はあまり自覚症状がありません。しかし放置すると、狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞など命にかかわる疾患の原因となります。
約5分で終了します。
働き盛りの40歳以上の方、危険因子の多い方、またそうでない方も定期的に検査を受けて、動脈硬化の早期発見と治療に努めましょう。
ホルター心電図は、小型の記録機を身につけて、日常生活中の長時間(約24時間)の心電図を記録し解析する検査です。24時間装着していただきますので、症状がある時の心電図記録ができる可能性が高まります。当院には胸痛や胸部の不快感を訴え受診される方がおります。もちろん、逆流性食道炎のような病気が原因である事は多いのですが、中には心臓の病気で症状を訴えておられる患者さまがいます。心臓の病気の中には診断・治療を速やかにしないといけない病気が多くあります。心臓の病気が疑われる方で必要な時は、このホルター心電図をしていただき、結果によっては循環器の先生に診察してもらうよう紹介させていただいております。もちろん、当院で治療可能な場合は、当院にて加療させていただきます。
ホルター心電図は、小型の記録機を身につけて、日常生活中の長時間(約24時間)の心電図を記録し解析する検査です。24時間装着していただきますので、症状がある時の心電図記録ができる可能性が高まります。当院には胸痛や胸部の不快感を訴え受診される方がおります。もちろん、逆流性食道炎のような病気が原因である事は多いのですが、中には心臓の病気で症状を訴えておられる患者さまがいます。心臓の病気の中には診断・治療を速やかにしないといけない病気が多くあります。心臓の病気が疑われる方で必要な時は、このホルター心電図をしていただき、結果によっては循環器の先生に診察してもらうよう紹介させていただいております。もちろん、当院で治療可能な場合は、当院にて加療させていただきます。
この自動血球計算CRP測定装置は、血液中の赤血球数・白血球数・血小板数などを測定し、貧血や感染症の診断、炎症や感染の重症度の指標であるCRPを即座に測定する事ができます。肺炎や虫垂炎など緊急性を要する病気の診断も可能です。特に白血球についてはより細かい5分類(リンパ球・単球・好酸球・好中球・好塩基球)で測定でき、感染症を詳細に診断(細菌感染やウイルス感染などの鑑別)できます。また、アレルギー症状の診断や、薬剤投与の副作用の確認もできるようになりました。測定時間も1-3分と迅速な診断が可能ですので、早期に治療方針を決定する事により、緊急性のある病気の場合、大きな病院へすばやく紹介する事ができます。
東ソー株式会社製の自動HbA1c分析計を導入しております。高速液体クロマトグラフィー法(HPLC法)を用いた高速・高処理性能を有した自動分析計であり、大きな病院と同じ測定法の機器を使用しております。一般的にHbA1c(NGSP)の基準値は(4.6~6.2%)であり、変動幅が小さいために厳密な測定が必要とされます。最近では、安価な免疫法(*正確性は±20%、*同時再現性は10%以下)の簡易測定器が広まっておりますが、信頼性に疑問が残ります。一方、HPLC法(*正確性は±0.3~0.6%、*同時再現性は2%以下)であり、かなりの差があります。例えば、基準上限のHbA1c6.2%である患者さまの検体を測定した場合、HPLC法で測定したデータは正確性を0.5%としますと、6.17%~6.23%に収まりますが一方、免疫法で測定した場合正確性は±20%ですから、5.0%~7.4%にもおよびます。これでは、実際は糖尿病の危険性がある患者さまが、「ほとんど問題ないですよ」と言われる事もあれば、「きっと糖尿病ですよ」と言われる事も起こりえます。また、東ソー株式会社製の自動HbA1c分析計は、異常ヘモグロビンへの対応もしており、代表的な異常ヘモグロビンの影響を受けずにHbA1cの測定ができ、1検体の分析時間は約2~3分と短時間でHbA1cの測定ができます。
糖尿病の診療を行ううえでHbA1cは、言うまでもなく重要な血糖コントロールの指標であります。世界中で糖尿病の患者さまは増加の一途をたどり、アジアにおいては今後さらに増加する事が予想されています。糖尿病治療の第一段階の目標は、十分な目標値でコントロールを継続し、血管合併症の発症・進展を抑制する事です。近年、糖尿病薬の進歩もあり、脳血管疾患、心血管疾患などの合併症はかなりのレベルで発症・進展を抑える事が可能となりました。しかしながら、「血糖スパイク」、「血圧サージ」があぶない!といったことが話題になっている事からも、動脈硬化を抑えるためには1日の血糖・血圧の上下の変動幅ができるだけ小さくなるようなコントロールが求められています。
また、糖尿病の患者さまは健常人に対して、発がんリスクや、認知症になるリスクが高い事が知られております。次の段階の目標は、認知症やがんになるリスクを軽減し、健康寿命を延ばす事が重要であります。当院でも、みなさまが少しでも健康寿命を延ばす事ができますよう、ますます努力としてまいります。
HbA1cは、「ヘモグロビンエーワンシー」と読みます。
赤血球の中にあるタンパクのヘモグロビン(Hb)は、体中の血管内を巡って酸素を供給しながら、徐々にブドウ糖と結合していっています。
高血糖すなわち余っている糖が多ければ多いほど結びつきが増え(HbA1c)も高くなります。ですから、ふだんの血糖値が高い人はHbA1c値が高くなりふだんの血糖値が低い人はHbA1c値が低くなります。
過去1~2カ月の血糖値の平均を反映して上下するため、血糖コントロール状態の目安となる検査で多くの病院の糖尿病外来では毎月測定されています。「今日は病院で検査だから」と食事を控えると、血糖値を下げる事はできますが、HbA1c値は下がりません。
反対に最近2カ月くらいがんばって食事を控えた人は、検査の前日だけたまたまたくさん食べてしまったとしてもHbA1c値は上がりません。
正常値は、4.3~5.8%で、6.1%以上であればほぼ糖尿病型と判断して良い事になっています。血糖値が糖尿病型の場合、HbA1cが6.5%以上か、糖尿病の典型的症状(多飲、多尿、口渇、体重減少)か糖尿病性網膜症があれば、糖尿病と診断されます。ただし、境界型や軽症糖尿病ではHbA1cが基準値内に収まる場合がありますので、この場合は確定診断のためにブドウ糖負荷試験(要予約)が必要となります。